モノづくりの現場
- 仁志 花上
- 4月25日
- 読了時間: 2分
社名を変えてから、いまはすべての工程を一人で行っている。
以前は5〜6名で回していた仕事だが、その変化についてはまた別の機会に整理してみたいと思う。
日々現場に立っていて、あらためて感じているのは、機械の状態がそのままものづくりに表れるということだ。
特にメンテナンスは、これまで以上に意識するようになった。
織機の音は、その日の状態を教えてくれる。潤滑が行き届いているか、どこかに無理がかかっていないか。
現場を行き来しながら、自然と耳を傾けるようになった。
状態が整っているときの織機は、驚くほど静かに動く。
この静けさが、自分にとってのひとつの目安になっている。逆に音が大きいときは、どこかに無理があることが多い。チェーンやベルトの張り、タイミングのズレなど、少しずつ確認しながら整えていく。
1年半ほど前、大きな故障があった。
音の違和感には気づいていたものの、そのまま動かし続けてしまい、結果として織機が止まる事態になった。
外部に頼ろうとしたが、この分野を扱える人はもういない。
結局、自分で向き合うしかなかった。
マニュアルを開いても、すぐに理解できるものではなかった。
構造を想像しながら、一つひとつ確かめていく。ひとつの原因にたどり着くまでに時間はかかるが、少しずつ分かることが増えていく。
最近はAIの力も借りながら、修理と調整を進めている。
いまもその織機は調整を続けているが、ようやく原因らしきものが見えてきた。
最初の設置時の設定にズレがあったのではないか、というところにたどり着いている。このあたりは、簡単に見つかるものではないと感じている。
以前は、メンテナンスの重要性を言葉で伝えていたが、実際に自分がすべてを担うようになってみると、その意味をようやく実感として理解できるようになった。
機械の状態を整えることが、そのまま織物の質につながっている。
日々の作業の中で気づくことはまだ多い。
そうした積み重ねの中で、少しずつものづくりの見え方が変わってきているように感じている。


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